認知症を知ろう
認知症とは
認知症は脳の障害ではありすが、認知症という病気ではありません。
認知症は、日常生活を正常・自立的に送りにくくなる症状です。
認知症の判断は米国精神医学界「精神疾患の診断と統計の手引(DSM)」あるいは世界保健機関「国際疾病分類(ICD)にもとづいて行われます。
以下を認知症の基準にしています。
ランク1
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立している。
ランクⅡ
日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
たびたび道に迷うとか、買い物や金銭管理などに今までできていたことができなくなるなどの症状が出てきます。
ランクⅢ
日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護が必要になる。
着替え、食事、排便・排尿がうまくできなくなる、やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・気勢を上げる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為などの症状が出てきます。
ランクⅣ
日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護が必要になる。
症状は、ランクⅢに類似です。
ランクⅤ
著しい精神症状や問題行動あるいは重い身体疾病が見られ、専門医療を必要とする。
せん妄、妄想、興奮、自傷・他傷などの精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続します。
認知症というとランクⅢぐらいからと思われてきましたが、昨今頻発している高齢ドライバーの交通事故などを見るとランク1からの認識が必要になってきています。
認知症の種類
認知症は症状で、認知症の原因となる疾患は70位上もあると言われています。
その内、患者数の多いいものに以下の疾病があります。
アルツハイマー型認知症(一般向けの医学書の比率では50%)
脳の神経細胞が変性する疾病で約半数は、アルツハイマー型認知症です。
記憶力、時間の感覚、季節の感覚が劣ってきます。
進行すると暑さ寒さが分からなくなり、また空間認識が阻害されよく迷子になるなどの症状が現れます。
脳血管性認知症(同上30%)
脳が変性するのではなく、脳梗塞や脳出血などの何らかの疾患や外傷の影響を受けて二次的に発生する認知症です。
記憶力、計算力、判断力、その他の知能の領域が損なわれて記憶障害、言語障害、早い時期からの歩行障害が現れます。
レビー小体型認知症(同上10%)
レビー小体と言う特殊な物質が脳全体に広がって発生する認知症です。
手足のこわばりや小刻み歩行、猫背になるなどの体幹傾斜が起こり転びやすくなります。
また、幻覚を見るようになります。
前頭側頭型認知症(同上その他を含め10%)
理性をつかさどる前頭側が阻害されるので自制心が失われ、非常識な行動や反社会的行動(万引きや放火など)が見られ、食行動の異常や同じ動作を続ける常同行動が現れます。
認知症の予防
認知症の多くは、アミロイドβとタウタンパク質が脳内にたまり脳神経細胞が死滅することで発症します。
アミロイドβが約10年たまり、その後タウタンパク質がたまり始め、約15年かけてたまり続け脳神経細胞を死滅させて認知症が始まります。
初期段階から約25年間かかるので、認知症が多く発生する70歳では、45歳からアミロイドβがたまり始めます。
このため、以下の予防策があります。
45歳を過ぎたら運動で認知症を予防
運動は、筋肉を刺激し血液中の成長ホルモン剤が増加します。
成長ホルモンは、主に脳の海馬(記憶をつかさどる部位)の神経系液性タンパク質の分泌を増加させ脳神経細胞の生存と成長に大きく関わり、認知症にかかりにくい丈夫な脳を作ります。
食事で野菜を先に食べて高血糖値上昇の防止
最初にコメや麺類などの炭水化物から食べると血糖値の上昇率が高くなります。
これを避けるには、最初に野菜からはべ始めることが効果的です。
寝不足や浅い眠りに注意
寝不足や熟眠できないとアミロイドβの排出量が減少して脳にたまりやすくなります。
認知症に保険の備え
認知症の疑いがあっても、高齢ドライバーが交通事故を起こした場合は、自動車保険(自賠責保険と任意保険)で補償されます。
自動車事故以外で賠償責任を発生すると個人賠償責任保険が効果的です。
個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険などの損害保険の特約として加入するのが一般的です。
認知症になった場合に保険金が支給される保険もあります。
- 太陽生命「ひまわり認知症治療保険」
- 朝日生命「あんしん介護認知症保険」など
- 認知症は病気ではなく症状です。
- 認知症で最も多いのはアルツハイマー型認知症です。
- 45歳になったら運動などを継続して予防に心がけましょう。