「アルツハイマー型認知症」予防に役立つ生活習慣
アルツハイマー型認知症の発症原因
アルツハイマー型認知症は、脳内に「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる有害なタンパク質のゴミが溜まり、学習や記憶に関係するニューロンが死滅することで発症します。
これについては、以前の記事「アルツハイマー型認知症」40代から静かに進む原因と発症で紹介しています。
脳の老化
脳の部位
脳の中心である大脳は、以下の4つの部位からなりたっています。
- 思考や理性、言葉や運動機能を制御する前頭葉(大脳の前方)
- 感覚や触った認識を制御する頭頂葉(大脳のてっぺんや後方)
- 記憶を中心に聴覚や嗅覚を認識する側頭葉(大脳の横の部位)
- 視覚を制御する後頭葉(大脳の後方)
脳の成長
大脳は生後まもなく後頭葉や側頭葉から成長がはじまり、その後、頭頂葉や前頭葉が発達して生殖能力を持つようになる思春期を過ぎたあたりでほぼ完成します。
脳の萎縮
大脳は、完成直後から老化が始まり脳の萎縮が進行していきます。
脳の萎縮は成長とは逆で、思考や運動を制御する高次機能を担う前頭葉からはじまり側頭葉、後頭葉に進行して行きます。
脳の萎縮が進むほどに認知症を発症するリスクが大きくなります。
認知症の症状
脳神経の死滅は記憶を格納する側頭葉の下角底部に位置する海馬からはじまるので、もの忘れが目立ち新しいことが覚えられなくなります。
その後、脳神経の死滅が前頭葉や頭頂葉に進行して行動や思考・空間認識に障害が生じ、さらに、側頭葉や後頭葉にまで進むと遠い昔の記憶もなくなり、言葉がうまく使えなくなり、物や人をみても何なのか認識できなくなります。
脳と心臓の密着した関係
脳の質量は、体重の2%ぐらいです。
しかし、全身が消費する酸素の20%は、脳が使います。
脳は大量の酸素を消費するので、脳に血液を供給する正常な心臓の維持が重要になります。
このため、心臓の健康に関わる「高血圧」、「糖尿病」、「肥満」の改善が認知症の予防にも重要です。
認知症を予防する生活習慣の改善
以下に示す生活習慣の改善が認知症の予防に効果があります。
正常な心臓の維持
身体の部位の中で大量に酸素を消費する脳に血液を送る心臓の機能が重要です。
このため、以下の注意が必要です。
- 適切な血圧「140mmHg未満/90mmHg以上」
- 血中コレステロール(TC)「140〜199」や中性脂肪(TG)「30〜149」の維持
- 肥満の解消
- 糖尿病にならないこと
睡眠
脳が活動するとアミロイドβと言う脳のゴミが発生します。
このゴミの排出が必要ですが、睡眠はゴミのアミロイドβの排出能力が高まることがわかってきています。
適切な睡眠時間を確保するのが脳のゴミ掃除に重要です。
脳の活性化
脳の活性化が認知症予防に効果があります。
- 神経細胞を活性化するホルモンの分泌とゴミを分解する酵素をふやす有酸素運動
- 脳を活性化するコミュニケーションや社交的な生活(孤独は認知機能を低下)
- 頭を使いながら指先を動かす囲碁・将棋・裁縫などの知的活動
アルツハイマー型認知症の予防に効果のある食材
米国での研究ですがアルツハイマー型認知症の予防に効果のある食材は、以下になっています。
日本人も類似と思われますが、日本人の食生活では塩分の摂取量が多いいので減塩も大切です。
- 緑黄色野菜(週6日以上)
- その他の野菜(1日1回以上)
- ナッツ類(週5回以上)
- ベリー類(週2回以上)
- 豆類(週3回以上)
- 全粒穀物(1日3回以上)
- 魚(なるべく多く)
- 鶏肉(週2回以上)
- オリーブオイル(優先して使う)
- ワイン(1日グラス1杯まで)
逆に控えた方が良いのには、以下の食材があります。
- 赤味の肉(週4回以下)
- バター(なるべく少なく)
- チーズ(週1回以下)
- お菓子(週4回以下)
- ファストフード(週1回以下)
- 認知症で最も多いいのはアルツハイマー型です(約7割)
- アミロイドβやタウというたんぱく質の脳のゴミがたまり発症します
- 生活習慣の改善がアルツハイマー型認知症の予防になります