生命保険「保障と老後資金作りを兼ね備えた養老保険」
養老保険
養老保険は、死んでも満期まで生き延びても保険金が支払わられる、保障と資産作りを兼ね備えた生死混合保険で、掛け捨てでない保険です。
しかし、近年の低金利、特にマイナス金利は、貯蓄型の保険に苦しい時代が続きます。
このため、貯蓄型の保険は、販売中止もでています。
養老保険のポイント
養老保険のポイントを、以下に示します。
- 保険期間は、加入から満期までの期間(60歳か65歳が多い)
- 自動更新のある更新型と更新のない全期型
- 保険料は定期保険に比べるとかなり高額
- 配当も高額
- 満期保険金がある(掛け捨てでない)
- 解約返戻金も高額(資金つくりや定期保険などに契約変換が可能)
養老保険の分類
養老保険を分類すると以下のようになります。
- 通常型の保養老保険
- 保障を手厚くする定期付養老保険
- 保険料の払込を保険期間の満了までの全期払込養老保険
- 保険料の払込を保険期間の満了前に終える短期払込養老保険
- 保険料を加入時に一括して払い込む一時払込養老保険
貯蓄型保険2017年4月から保険料値上げ
養老保険、終身保険、学資保険などの貯蓄型保険の保険料が値上げになります。
保険料は加入時に決まり、その後更新型でなければ保険料が変わらないので、3月の貯蓄型の保険の加入者が増えています。
貯蓄型の保険料の値上げは、以下の原因によります。
- 保険会社の予定利率を決める金融庁の標準利率が4月から下がる
- 予定利率も連動して下がるので約束する保険金を支払うには保険料を値上げ
- マイナス金利時代なので国債で運用しても利益を出しにくい
保険料計算のもととなる標準金利は、以下のように変わってきています。
- 1996年4月から2.75%
- 1999年4月から2.00%
- 2001年4月から1.50%
- 2013年4月から1.00%
- 2017年4月から0.25%
改定前後の保険料
金融庁の標準利率が変わる2017年4月からの保険料は、まだ未定なので2013年の改定前後の保険料を見てみます。
比較するケースを以下にします。
- 保険期間・保険料払込期間60歳満了
- 保険金額300万円
- 口座振替の月額払い
男性のケース
男性のケースでは、月額保険料は以下になります。
- 30歳の改定前は7,587円で改定後は7,650円になり増加率は100.8%
- 40歳の改定前は12,132円で改後保は12,222円になり増加率は100.7%
- 50歳の改定前は25,476円で改後保は25,896円になり増加率は101.6%
女性のケース
女性のケースでは、月額保険料は以下になります。
- 30歳の改定前は7,470円で改定後は7,539円になり増加率は100.9%
- 40歳の改定前は11,946円で改後保は12,042円になり増加率は100.8%
- 50歳の改定前は25,131円で改後保は25,572円になり増加率は101.8%
2017年4月の改定
2013年の改定時の保険料の値上がりは1%前後でした。
この時の標準利率は、1.5%から1%に下がりましたので7割弱に下がりました。
しかし、2017年の改定時には、標準利率が1%から0.25%に4分の1(25%)に下がります。
このため、保険料の値上がりは2013年の値上がりよりも大きく10%以上の値上がりになるのではと予想されます。
マイナス金利の時代は、保険に限らないのですが資産作りは困難な時代です。
保険は保障(保険料が安いので保障を大きく出きる定期保険など)を重点に、老後などの資金作りは税金の控除の大きい確定拠出年金(iDeCo)などを検討する時代になってきました。
- 養老保険は、保障と資金作りを兼ね備えた生死混合保険で掛け捨てではありません
- 配当や解約返戻金が大きく、途中で払済保険や延長保険にかえて保険料なしにすることも可能です
- 近年にマイナス金利の時代は養老保険のような貯蓄型の保険は苦しい時代になります