生命保険と預金の違い
生命保険と預金の備え方の違い
この2つとも、リスクの備えができますが備え方に違いがあります。
生命保険
生命保険は、最初の加入時点から想定するリスクに備える金額(保険金)が保障されますが、基本的には終了すると払い込んだ保険料はなくなります(保険の基本は掛け捨ての定期保険の場合で、養老保険など満期保険金のある保険もあります)。
保険は、低い保険料で保険期間について金銭的保障(相続)をするのが基本です。
生命保険は、もしもの際に、いつでも大きな(必要な)保障があるのが特長です。
預金
預金は、時間をかけて資金を大きくしていきますが、その途中でもしもの際に、それまで積み立てた金額(元金と利子の元利合計)が残されます(相続になります)。
ゼロから預金を始めると必要な資金にたまるまでは、長い時間がかかります。
その間の保障がないので、初期資金が不足する場合は、預金と生命保険を同時に始めるのが普通です(十分な初期資金があれば生命保険に加入する必要はありません)。
生命保険も預金も資金を増やす方法は、似ています。
生命保険は期間(保険期間)と保障あるいは積み立てる金額を確定して行いますが、預金は積みて期間や資金の出し入れが自由で、自由な分継続する強い意志が必要です(保険は保険料の払込が強制で、預金も給与の天引など強制があると続けやすくなります)
生命保険と預金の税制面からの違い
税制面から見ると預金よりも生命保険は預金よりも有利です。
生命保険
生命保険は、以下のメリットがあります。
- 保険料の控除がある
- 保険期間非課税
- 相続時に保険の控除(500万円*法定相続人の数まで非課税)が別途ある
預金
通常預金には、税制面での有利さはありません。
- 預金・掛金の控除がない
- 預金期間の利子に20.315%課税
- 相続時に生命保険のような預金特有な控除がない
誰でも加入できる確定拠出年金「iDeCo」は、以下の有利な点があります。
ただし、資金を増やすには自分で金融商品を選ぶ必要があります。
- 掛金は非課税
- 利益(利子)も非課税
- 一時金あるいは年金として受け取れ公的年金と同様な納税
資金の増やし方の違い
生命保険の基本は、加入時から一定金額(保険金)が保障されますが保険期間をすぎると保障がなくなります。
預金は、最初の資金は少ないのですが、時間が立つに連れて元利合計が増えていき、通常いつでも現金に変えることができます。
生命保険は保険期間保険料の払込が強制されますが、途中で資金が必要になると解約して解約返戻金を受け取ることができます(解約返戻金がないか少ない生命保険は、その分保険料が安くなっています)。
また、保険料の出し入れが自由なアカウント型の生命保険もあります。
生命保険も預金と同じような方法で資金を増やす方法もあります。
生命保険には、以下のような種類がありますので、短期的な資金形成は預金(iDeCoなど長期的なものもある)で備え、長期的な資金形成は保障もあわせた生命保険で備えるのが良いのではと思います。
- 保険料が安く一定期間補償のある定期保険
- 保障が一生続く終身保険で解約による老後資金作り
- 保障と老後資金作りの養老保険
- 親が死亡しても教育資金を作れるこども保険
- 短期間に蓄財する外貨建て保険
- 介護に備える介護保険
- ガンなど特定疾病にかかると死亡しなくても給付される生前給付型保険など
- 一般に必要な保障と資金作りは生命保険
- 大きな資金作りは預金(株式や投資信託など)
生命保険と物価上昇(インフレ)
物価変動面から見ると生命保険の以下の特徴があります。
- 保険期間保険料は据え置き
- 保険金も原則固定
生命保険は物価上昇時に定期的な収入(給与など)があると保険料の支払いは楽になりますが、その分保険金が少なくなり(物価上昇分を除いた場合です)、保障が足りなくなる場合があります。
このため、物価上昇時(インフレ)には、保険の見直しが必要になります。
長年デフレが続いているので保険の見直しは途中での必要資金の増減(就職、結婚、子供の誕生、自立、住宅ローンなど)が中心ですが、政府はインフレを目指していて保障の件からも見直しが必要になる場合も出てきます。
- 一定の保障は保険で、資金形成は預金(投資も含む)で行うのが基本です
- お金の出し入れは預金が自由ですが保険も解約で資金入手が可能です
- 生命保険にはいろいろな種類があり必要性に応じて選択できます