認知症「若年性認知症は生活への影響が大きい」
認知症の種類
認知症は、記憶力の低下など後天的な脳の器質的障害により正常に発達した知能が低下する症状を言います。
現状では、認知機能の回復は難しく、初期段階で進行を遅くする治療が行われています。
日本人に多い認知症には、以下の4種類があります。
これについては、「アルツハイマー認知症」発病の25年前から進行で紹介しています。
- 25年かけてゆっくり進行し記憶力の低下する日本で一番多い「アルツハイマー病」
- 脳出血や脳梗塞などで比較的急に発症しアルツハイマーの次に多い「脳血管性認知症」
- 初期に幻想や妄想が現れるレビー小体のたまる「レビー小体型認知症」
- 感性や理性を司る前頭葉や側頭葉が萎縮し性格変化と行動異常が特徴の「前頭側頭型認知症」
若年性認知症
65歳未満で認知症を発症すると「若年性認知症」と呼ばれます。
認知症には患者の6割から7割を占める「アルツハイマー型認知症」が多く、発症するまでに25年ぐらいの長期間かかることから高齢者にかかる病と考えられています。
2009年の厚生労働省の資料では、若年性認知症は以下が報告されています。
- 人口10万人あたりの患者数は男性57.8人、女性36.7人
- 男性に多く発症年齢は平均51.3歳
- 症状は高齢者の認知症と同様
- 高齢者に多い(約7割)アルツハイマー型は少なく25.4%
- 最も多いいのが脳出血や脳梗塞などによる脳血管性認知症で39.8%
- このほかは、頭部外傷後遺症で7.7%
- 前頭側頭葉変性症が3.7%
- アルコール性が3.5%と続く
- 進行が早いと2〜3年のうちに就労が困難な状態になる
脳血管性認知症
脳血管性認知症は、脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血したりして脳の細胞に酸素が送れなくなり神経細胞が消滅し認知症が発症します。
発症した脳血管障害付近で認知機能が低下するので、その場所以外の認知機能は正常で、一部の認知機能の低下で始まります。
脳血管障害が続くと認知機能の低下も広がって行きます。
このため、症状を広げないようにするリハビリと脳血管障害の予防に効果的な生活習慣の見直しに効果があります。
年齢別若年性認知症患者数
2009年の厚生労働省の同資料によると、若年性認知症の患者数(推定値)は以下のようになっています。
- 18〜19歳で20人
- 20〜24歳で370人
- 25〜29歳で450人
- 30〜34歳で550人
- 35〜39歳で840人
- 40〜44歳で1,220人
- 45〜49歳で2,090人
- 50〜54歳で4,160人
- 55〜59歳で12,010人
- 60〜64歳で人16,040
- 以上合計37,750人
若年層認知症は現役世代で、発症すると自身や家族の生活に大きな影響を与えます。
高齢者の認知症も若年性認知症も現状では回復する治療法は、見つかっていません。
これから、社会保障や保険の面から用意されている対策を検討して行きます。
- 認知症は高齢者の病と考えられていますが65歳未満でも発症します
- 高齢者に多いアルツハーマー型ではなく、脳血管性認知症が最多です
- 65歳未満の若年性認知症は自身や家族の生活に大きな影響があります